発表会や演奏会など、静かな空間で写真を撮るときに気になるシャッター音。
ミラーレスカメラの「カシャッ」という音が周囲に響いてしまい、せっかくの雰囲気を壊してしまった、気になって演奏に集中できなかったという経験がある方も多いのではないでしょうか。
今回は
- シャッター音の消し方
- シャッター音を消して撮る写真の知られざるデメリット
について解説したいと思います。
「音なんて鳴らない方が良いに決まってる」
「常に電子シャッターで撮れば迷惑かからない」
という方はおそらく目からうろこの内容になると思います。
マナーを守りつつも後悔しない撮影をするための基礎知識として、ぜひ参考にしてください。
目次はコチラ
1.そもそもなぜ音が鳴る?ミラーレスカメラの仕組み
ミラーレスカメラで音が鳴る場合は大きく2つ。
・物理的な音|シャッター音
センサー(フィルムみたいなもの)前にあるシャッターが原因です。
このシャッターを機械的に上げ下げすることでセンサーに当たる光の量を調整していますが、このシャッターを上げ下げしている時に出る機械的な音です。

・電子音|操作音やAF合焦音
メニューを操作しているときや、シャッターボタンを半押ししてピントが合ったときなどに発生する音もあります。ピピピッという電子音です。

<画像出典:キヤノン公式サイトより>
2. ミラーレスカメラの音を消す方法【メーカー共通の基本対策】
ここではキヤノン機種をベースにミラーレスカメラの音の消し方について解説します。
※ニコンやソニーユーザー向けにも画像等を加えています
物理的な音|シャッター音の消し方
シャッター音を消すには電子シャッター(サイレントシャッター)をONにすればオッケーです。
【キヤノン】 シャッター方式 → 電子シャッターを選択


【ニコン】 静止画撮影メニュー → サイレント撮影”する”を選択(※電子音も消えます)



電子音|操作音やAF合焦音の消し方
【キヤノン】 機能設定MENU → 電子音”切”


<画像出典;キヤノン公式サイトより>
【ニコン】 セットアップメニュー → 電子音”無効”

セットアップメニュー内にある
「電子音」から”無効”の設定をしましょう
セットアップメニュー内に「サイレントモード」があれば、設定することでシャッター音と電子音どちらも無効にできます。
3. 音を消すことの“知られざるデメリット”とは?
音の消し方は分かりましたか。
次に音を消すことのデメリットについて御説明します。
音が消えるのは便利ですが、実は画質や仕上がりに影響を与えるリスクもあります。
ですので無音にすることのリスクにも目を向けましょう
フリッカー(ちらつき)現象が起きやすい
- 蛍光灯やLED照明の明滅と電子シャッターが干渉して、写真に縞模様が入ることがあります

<画像出典:ソニー公式サイトQAより>
動いている被写体に「ゆがみ」が出る(ローリングシャッター現象)
- 動きの速い被写体を撮影する際など曲がって写ることがあります

<画像出典:キヤノンEOSR3紹介サイト>
ストロボ発光など機能に制限がかかる機種もある
- 電子シャッターを使用しているときにはストロボ発光できないなど機能に制限がかかる場合があります。
- 一部機種ではメカシャッターと比較して同等画質にならないなど画質に影響する場合もあります。
4. 音を抑えつつ失敗しないための対策
- シャッター音が気になる場面だけ「電子シャッター」を使う
→手間だとしても常時ではなく“切り替え”することが重要 - フリッカーが出やすい環境では「フリッカー低減モード」を使用することも可能
→フリッカー低減機能がある機種では使用すること - 動体(動きが速い場面)はメカシャッターで撮るのが無難
→屋外での運動会など気にならない場面ではメカシャッターを使用
電子シャッターについては咄嗟のときに設定することがあるので、
ファンクション機能設定・カスタム設定・マイメニュー設定などを活用してすぐに設定変更できるようにしておきましょう

よく使う機能はこちらに設定しておくことが可能
5. まとめ|マナーと画質、どちらも大切にするために
ミラーレスカメラの無音撮影は、発表会・演奏会といった“音に配慮が必要な場面”でのマナーとして非常に有効です。
ただし、静音設定には「フリッカー現象」や「動体ゆがみ」などの注意点もあるため、状況に応じた使い分けが重要です。
マナーを守りつつ、大切な一瞬を“美しく・正確に”残すために、設定と知識をしっかり身につけましょう!
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