「子どもが生まれたから、ちゃんと写真を残したい」
「スマホでは物足りなくなってきた」
そんなあなたにぴったりなのが“ミラーレスカメラ”。
とはいえ、カメラ選びって専門用語も多いし、何から始めればいいのかわからない……
そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、
ミラーレスカメラをこれから始めたい初心者向けに、
カメラ・レンズ・備品の選び方から、写真を楽しむステップまでをわかりやすく解説します。

- 家電量販店の元カメラ販売員
- フォトコン多数入賞の現役カメラマン
- 3児の父親
- 家族写真だけで年間1万枚の写真を撮影
1. 後悔しないカメラを選ぶ
最初はミラーレスカメラを選びましょう。
カメラを選ぶ基準は人それぞれですが、各メーカーも特徴があります。
いきなり家電量販店に行くのは辞めて、まずはしっかりとどんなカメラが欲しいのか考えてみましょう。
以下に3つだけ代表的なものを挙げます。
- 予算
- AF(オートフォーカス)性能
- 暗所性能
具体的な機種については以下の記事で紹介しています。

1-1.予算
もっとも重要なのが予算です。
素敵な写真が撮れるのであれば予算なんて…という一部の例外を除き、いくらカメラに使えるのか確認しましょう。
現在の相場観として
初心者向けカメラ:10万円〜20万円 ※付属レンズ付き
こちらを一つの目安としましょう。
機種によっては上がることも下がることもありますので、あくまで目安としてです。
1-2.AF(オートフォーカス)性能
続いてお子さんや妻、夫などを撮影する場合において絶対外せないのがAF性能です。
AF性能は各社独自の性能で競っており、名前もさまざま。正直よくわかりにくい…
ここでは違いだけでもわかるように最新機能順にランク付けを記載しておきます。
難しい言葉が並んでいますが、検討しているカメラにこちらの名称が記載されているか確認しましょう。
ちなみに記載がなくてもランク付下の方でも、十分なAF性能を有している場合も多いです。
・デュアルピクセルCMOS Intelligent AF
> デュアルピクセルCMOS AF Ⅱ
> デュアルピクセルCMOS AF
・EOS iTR AF X (ほぼ全てのカメラが搭載)
・ファストハイブリッドAF(ほぼ全てのカメラが搭載)
・リアルタイム認識AF
≧ リアルタイム瞳AF
注)人物であれば大差ありません。
・ハイブリッドAF(ほぼ全てのカメラが搭載)
・3D-トラッキング(静止画モードのみ)
※こちらもソニーと同じく電車や
以上のように、電車や車、飛行機などの無機物を追えるカメラが最新機種の特徴になりますが、ご家族など人物中心の撮影であれば特に気にする必要はありません。どのメーカーのカメラもAF性能は十分になります。
1-3.暗所性能
続いて気にする方が多いのは暗所性能になります。
暗所性能はメーカーによる違いのない共通事項の確認でOKです。
厳密にはソフト処理による違いがあるので一律には言えませんが、その点は気にしなくて問題ないでしょう。
- センサーサイズによる違い ※1
フルサイズ > APS-C - ISO感度 ※2
数字が大きければ大きいほど高性能 - 裏面照射型センサーという記載
→よりすごいセンサーを使用しているという理解でOK
※1 解説:センサーサイズってなに?
センサーサイズは大きければ大きいほど暗所性能も高くなり画質が良いと言われています。
センサーサイズが大きいと1画素当りの受光量が増えるためです。
35mmフルサイズセンサー ≒ フィルム と同じサイズです。

ミラーレスはAPS-Cやフルサイズを採用しているカメラが多い
※2 解説:ISO感度ってなに?
ISO感度はアイエスオー感度orイソ感度と読みます。光を受けるセンサー部分(=フィルムの部分)がどれくらいの光を感じ取れるかを数値化したものになっていて、「ISO感度:ISO100〜12800」などと各メーカー記載しています。
ISO感度を高くすると夜の暗い場所でも明るく撮影できる反面、ノイズが出やすくなります。TV番組等で真夜中のライオンの生態などを撮影するとざらざらした動画になるのはそのためです。
1-4.その他
他にも以下の基準で選ぶ方もいます。
- 手ブレ
→現在は必須機能で性能も良い - 連写性能
→こちらも現在は性能が良いため、気にする人は少なく十分な性能 - 耐久性
→シャッター耐久性能の数値や防塵防滴に配慮した設計、アルミ合金製のカメラなどもあるが、中〜上級者向けカメラに多い - バッテリー持ち、操作性、動画性能(4K対応)など

2. 自分にあったレンズを選ぶ
御予算が許す限りは「ボディのみ+レンズ」といった買い方を検討しましょう。
カメラに1本〜2本のレンズが付くレンズキットからスタートする方が多いと思います。
しかし、カメラが続かない人の特徴として、レンズキットで購入した方が多いためです。
ぜひ「レンズ」もしっかり選びましょう。検討した上でレンズキットを選ぶのはOKです
2-1.予算
「ボディのみ+レンズ」と別々に購入する場合は少し予算が上がります。
「ボディのみ+レンズ」:20万円弱
こちらを一つの目安としましょう。
当然選ぶレンズや機種によって上下しますので、あくまで目安です。
2-2.撮影用途
撮影対象にもよりますが、レンズを選ぶ基準で最も重要なのが撮影用途になります。
撮影用途が運動会であれば望遠レンズ(※3)が良いでしょうし、日々のスナップ写真であれば広角レンズ(※3)の方がよいでしょう。
つまり焦点距離をしっかりみて探すことです。
ただし、APS-Cカメラを購入する場合には焦点距離を1.5倍すること忘れずに(※4)
※3解説:望遠レンズ・広角レンズってなに?
※4解説:APS-Cカメラは焦点距離を1.5倍する必要がある?
焦点距離はフィルムカメラからの名残で”フルサイズセンサー”をベースに決められています。
(「※1 解説:センサーサイズってなに?」参照)
APS-Cセンサーはフルサイズセンサーと比較して、センサーサイズが少し小さいため、以下の図のようにできた写真が拡大(望遠)されてしまいます。
少し内容が難しいため、「レンズを選ぶときに、APS-Cカメラは焦点距離1.5倍!」とだけ覚えておけばOK。
このように焦点距離〇〇mm✖️1.5倍する計算のことを「35mm判換算する」と言ったりします。

2-3.お子様を撮るなら「高倍率ズームレンズ」が有力な選択肢
「具体的に何を買えばいいのか」
「レンズは種類がありすぎてわからない」
という方向けに子育て世帯であれば絶対に使う!であろうレンズを紹介します。
それは高倍率ズームレンズと呼ばれるレンズになります。
広角〜望遠まで1本だけで完結する非常に使い勝手の良いレンズで、
上記どの場面でも使えます。
ただし、以下のデメリットもあります。
画質については、正直素人目からでは全く違いはわからない程度です。
具体的な商品は以下の通りです(APS-Cセンサーカメラでしか使えません)
値段もレンズの中では手頃な価格になります。
3. ”必要な”備品を選ぶ
カメラとレンズが決まったら終わりというわけではありません。
ほかに、必ず必要なもの。あると便利なものをサクサクっと御紹介します。
3-1.【必要】SDカード
SDカードは必要です。
現行のカメラには内蔵メモリが無いのでSDカードが無ければ撮影できません。
※中〜上級者向けカメラではそもそもSDカードでは無い場合もあります
- 容量:32GB以上
- 性能:4K動画対応等の記載があればOK
- メーカー:信頼あるメーカーが良い(例:SanDisk)
カメラマンがよく使っているメーカーはSanDisk。
温度・水・磁力など、さまざまな条件下でも使えるように設計されており、
「データが全て消えてしまった」という事態がありません。
3-2.【必要】レンズ保護フィルター
レンズ保護フィルターも必須です。
レンズキャップも付属されていますが取り外しの手間があるので、
保護フィルター着けっぱなしが使い勝手◎。
解説:レンズ保護フィルターってなに?

レンズは先端部が割れやすく、割れてしまったら撮影できなくなってしまいます。更にレンズはカメラボディと比較すると資産性が高いのですが、割れてしまえばその資産価値も大きく減少します。
このような事態を防ぐためにレンズ保護フィルターが発売されています。
何かにぶつかってしまっても、まずこのレンズ保護フィルターが割れてくれます。
解説:レンズ直径を確認する方法


レンズごとに先端部の直径は異なりますので、選ぶ際にはフィルター径に注意しましょう。
確認方法は”仕様書”と”メーカー先端部の表示”の2つです。
「フィルター径〇〇mm」や「φ〇〇mm」のように表記されています
メーカーはHAKUBAやKenkoが一般的です。
特にHAKUBAのレンズフィルターは薄くて・撥水性能・防汚性能あるので良く使用されています。
とにかく安くしたい!という方にはAmazonベーシックという選択肢もあります。

<クリックするとAmazonの商品ページに移動します>
3-3.【必要】液晶保護フィルム
液晶保護フィルムも必要です。
用途としては耐久性向上もありますが、ファインダー撮影するときに鼻があたったり、
タッチでピント操作をしたりと汚れた液晶をゴシゴシ拭くための用途が多い印象。
購入する機種専用の保護フィルムを買えば問題ありませんが、タッチ対応しているかの確認は必須です。
4. ”あると便利な”備品を選ぶ
ここからはあると便利な備品を紹介します。
カメラ購入と同時に一気に買う必要はないですが、ゆくゆくは揃えた方が良いものです。
4-1. <あると便利> 防湿庫
カメラやレンズは破損するとその資産性が下がりますが、もう一つやっかいな敵があります。
それはカビです。
カビを防ぐためにもカメラやレンズは防湿庫にて保管しましょう。
Amazon等で1万円程度で購入できます。
4-2. <あると便利> 替えバッテリー
ミラーレスカメラはバッテリーの持ちが悪いので替えのバッテリーがあると便利です。
- 1日中撮影する運動会やスポーツ大会
- 充電忘れのとき
- 急なバッテリー故障
これらに備えて、替えのバッテリーを持っておくと良いと思います。
カメラメーカーは少々割高なので互換バッテリーを作っている企業(ロワジャパン)の製品はおすすめです。
4-3. <あると便利> カメラバッグ
カメラを撮影箇所まで大切に持ち運ぶための、カメラバッグもあると便利です。
普通のバッグとの違いは
- クッション性が高い
- 小物を入れるポケットが豊富
- 横から開閉ができるなど、シャッターチャンスを逃さない
と言った点です。
風景や動物等、がっつりカメラを趣味にされる方を除き、
お気に入りのリュックサックやバッグにインナーボックスを入れるだけで十分です。
4-4. <あると便利> カメラストラップ
付属されているカメラストラップはメーカーが記載されています。
- 個性を出したい
- ネックストラップよりハンドストラップがいい
- 取り外しの簡単なストラップがいい
こう言った方は別途購入することを検討しましょう。
そもそもネックストラップもカメラを使わなくなる一因になります。

4-5. <あると便利> カメラ・レンズの掃除道具
カメラが埃まみれになったり、砂や水滴、油汚れがついた際にはお手入れをしてあげましょう。
- ブロワー
- レンズクリーナーリキッド(液体)
- クロス
- クリーニングペン
- ブラシ(刷毛)
こう言ったものがセットになっている商品も販売されています。
こちらを揃えておきましょう。
4. 撮った写真はどうする?
これであなたは立派なカメラマン。
せっかくですから撮った写真を1人で見るだけではもったいないです。
少しだけ写真を楽しむ方法にも触れておきます。
4-1. 見て楽しむ
見て楽しむ方法としては
- GPS情報で地図表示
- デジタルフォトフレーム
- テレビを使って皆で楽しむ
いろいろなところへ旅行に行ったり、転勤などで居住地が変わったりする方は、GPSを使って写真を楽しむと当時の思い出と一緒に記憶が蘇ります。

また、デジタルフォトフレームで、部屋を飾ったり御両親にプレゼントしてあげるのも良いですね。

4-2. 残して楽しむ
写真をプリントアウトやフォトブックを作成して保管しておくのも良いです。
アナログですが、思い出の濃い写真を手に届く場所などに置いておけば、お子様と一緒に振り返ることもできます。
きっとお子様も「愛されている」と感じてくれると思います。
カメラのキタムラがすぐに思いつくと思いますが、フジフォトアルバムが素晴らしい商品を販売しています。
- 高級・高品質な銀塩写真を使用
- 自由なレイアウト
- ページの真ん中に切れ目のない大迫力のA3サイズ
ぜひどんな商品があるのか見てみてください。
4-3. 伝えることで楽しむ
子どもの成長をさまざまな方法で伝えることもできます。
マグカップやキーホルダーにしてプレゼントするのも良いですし、SNSを使用して皆にシェアするのも良いです。
特にSNSではミラーレスカメラ独特のボケみや解像された写真、色味の表現の深さなどから”いいね”がたくさんつく写真が撮れるかもしれません。
他にも年賀状やポストカードなどで、遠くにいる御家族・友人に手紙を送ってみてはいかがでしょうか。
きっと、温かいメッセージと一緒であれば喜ばれること間違いなしでしょう。
5. さぁ、始めましょう
さぁ、カメラを始めましょう。
カメラ販売員をしていた頃から、
「わたしに扱えるでしょうか」
「宝の持ち腐れにならないでしょうか」
といった不安を持たれている方は多数いました。
重要なのはあなたの「思い出を残したい!」という優しい心です。
ぜひ、最初はオートモードで十分ですので、お子様の成長を愛情込めてミラーレス一眼で撮影しませんか。
わたしも有益な情報を発信していきたいと思います。