ミラーレスカメラは”メーカー選びが命”|キヤノン・ソニー・ニコンの違いを初心者向けに比較解説

ミラーレスカメラを購入される場合に重要なことが1つあります。
それはカメラ選び=メーカー選びであることです

「当たり前じゃん」

と思うかもしれませんが、
カメラはテレビや冷蔵庫を選ぶのと比較してメーカー選びが一味も二味もさらに重要です。

この記事では、初心者が迷いやすいメーカー選びのポイントをやさしく・ザックリ解説して、失敗しにくい選び方の参考になればと思います。

簡単プロフィール
優太郎
  • 家電量販店の元カメラ販売員
  • フォトコン多数入賞の現役カメラマン
  • 3児の父親
  • 家族写真だけで年間1万枚撮影
目次はコチラ

1. なぜカメラメーカー選びは重要なのか

乗り換えコストが高い

 一旦カメラを選んだ場合はそのカメラに合ったマウント(レンズ接続部)でレンズを揃えることになります。このマウントはメーカーによってさまざまで統一されていません。
 レンズは1本数万〜数十万しますが、もし、購入後にカメラメーカーを変更する場合は、レンズも売却して買い直す必要があります。

※解説:レンズマウントとは?

マウントとはカメラとレンズを接続するネジ穴のことをいいます。
カメラメーカーによってその形状は異なり、

  • キヤノン:RFマウント
  • ソニー:Eマウント
  • ニコン:Zマウント

と言った名前の使い分けを行っています。当然RFマウントのレンズはEマウントのカメラには使えません。RFマウントのレンズが入るのはRFマウントのカメラだけです。
 また、時代によってもマウント形状は変わっており、最近はミラーレスカメラが普及していますが昔の一眼レフ時代やフィルムカメラ時代ともそのマウントは変わっています。

  • キヤノン:RFマウント ← EFマウント
  • ソニー:Eマウント ← Aマウント
  • ニコン:Zマウント ← Fマウント

これも同じメーカーのマウントですが合うことはなく、EFマウントのレンズはRFマウントのカメラには合いません

“撮って出し”の仕上がりが変わる

 ご存知ない方も意外と多いのですが、同じものを撮ったとしても、色合いなどメーカーによって微妙に異なります(友人や御家族と試してみてください)。これら色合いを後で調整できるRAW画像ばかりで撮影することは普段使いの方は少数派。つまり、好きな色合いや肌の出方のするメーカーを最初に選ぶ方が良いです。

※解説:RAW画像とは?

普段撮影する画像の多くはJPEG(ジェイペグ)と呼ばれる扱いやすい拡張子を使用しています。

一方でこのRAW(=生|ロウ)画像と呼ばれるのはJPEG画像と比較して色情報が豊富なデータになります。これにより撮影した後で露出やホワイトバランス、彩度などを調整することができます。
フォトコンテスト応募用の写真など後日、画像編集などを行いたい!と言った場合はRAWで撮影しましょう。

メーカーごとにJPEG拡張子(〇〇.jpg)は同じですが、RAW画像は拡張子が異なります。

  • キヤノン:CR2、CR3、CRW、TIF
  • ソニー:ARW、SR2、SRF、DNG
  • ニコン:NEF、NRW

もし、画像編集ソフトの購入を考える場合は上記の拡張子に対応しているか確認しましょう。

操作性・UIの慣れは重要な資産

熟練者になってくるとボタン配置やメニュー構成は“クセ”になります。
カメラを変えると学び直しが必要になるため、最初に購入したカメラメーカーに慣れていくことになりますのでメーカー選びは重要です。

アクセサリーやサードパーティの広さにも差

 レンズだけでなく、ストロボやマイク、バッテリー、リモートシャッターなども将来購入するかもしれません。その際にはそのカメラメーカーが販売しているものだけでなく、サードパーティー製のものが安いため選択肢に入ってきます。その場合は売れているカメラメーカーの方が優位になります。

2. 各カメラメーカーの違い・特徴

各カメラメーカーの特徴を簡単に紹介していきます。
メーカーの発売しているカメラ機種にもよりますので、ざっくりイメージになります。
カメラ好きな方であれば「確かに!」と納得していただけるものが多いと思います。

2-1. キヤノン|人物に強い色味

JPEGの色味がGood!

キヤノンは人物の肌色が自然で柔らかく、温かみのある発色が大きな強みです。ソニーはシャープでクリア寄り、ニコンは落ち着いたニュートラルな描写と各メーカー特徴がありますが、キヤノンのこの色味については、加工せず“撮って出し”で満足できる写真が多く、家族・人物写真では特に好まれやすい傾向です。

<画像出典>キヤノン公式サイト

操作しやすい

メニューやボタンの作りが評判高く、直感的で初心者でも迷いにくいです。初心者向けにメニューにひとこと解説のある機種もあります。また、モニターの色味もほどよく目が疲れない印象があります。

ボディ/レンズが使いやすく、高級感あり

小型軽量のわりに手に馴染みやすいデザイン製が特徴。レンズについてもズーム操作部はラバー素材を積極的に採用するなど、扱いやすさにこだわった作りです。さらに上級レンズとなると赤ラインの入った”Lレンズ”や真っ白いレンズが特徴の”白レンズ”などは皆が憧れる一つのステータス。高級レンズの証です。

一方で他社と比較して「あと一歩!」という点は以下の通り

・動体や動画の性能は同価格帯のソニーに譲る場面あり。
・サードパーティ製のAFレンズは拡大中であり、現時点では少ない印象

向いている人

画像編集などをせずとも家族・人物を最初からきれいに撮りたい人。簡単・快適に写真を楽しみたい人。

キヤノンのカメラは家族写真をメインで撮る方には非常におすすめ
特に人物写真を得意としており、編集していない無加工の写真がプロ並みに撮れます。

2-2. ソニー|AF・動画に強い

AF・被写体認識に強み

ソニーの強みはとにかくコレ。高速・高精度で動く被写体に強いという点。
各社AF性能には力を入れていますが、ソニーのAF性能は非常に高く、食いつきも申し分なし。

<画像出典>ソニー公式サイト

映像制作者も納得の動画性能

ログ撮影など豊富な動画機能が充実しています。リアルタイム瞳AFや被写体追従の精度が動画でも強力で、動きのある被写体に強いです。4K60/120pや10bit 4:2:2内部記録、S-Cinetoneなど映像制作寄りの機能が充実。

レンズ資産が豊富

ソニーはEマウントの歴史が長く、純正だけでなく、サードパーティのレンズが圧倒的に豊富。軽量小型からシネマ向けまでラインナップが幅広く、価格帯も選びやすいのが特徴。

一方で他社と比較して「あと一歩!」という点は以下の通り

・JPEGの色味はスッキリ・クール寄りに感じる人も多い。
・液晶画面もぎらつきを感じる
・メニュー体系や設定項目が多く、初心者には操作が複雑に感じやすい。
・ファミリー向けのカメラでコスパの良いカメラが少なめ(高価格帯)

向いている人

子ども・ペット・スポーツなど動体をよく撮る人

動く被写体を多く撮ることが多い場合にはソニーのAFが非常に役立ちます。また、動画性能も高いため動く被写体をしっかり捉えて撮影したい場合はおすすめです。

2-3. ニコン|自然な描写と特徴的な製品

色味(JPEG)が自然な色味

最近は色味が派手な写真が多い中で、ニコンはニュートラルな写真が撮れます。これは見たままの色味を忠実に表現するだけでいいという方には非常に向いています。もちろん撮影後の写真加工をすることも可能です。その場合にはニュートラルな写真からの加工ができます。

<画像出典>ニコン公式サイト

ボディ形状・堅牢製Good!

グリップが深く、ホールド感の良いカメラが多く、長時間使用しても疲れにくい特徴があります。また、一眼レフ時代に培われたボディ設計から堅牢製の高いカメラも多く、耐久性にも優れます。

特徴的なレンズ/カメラが多め

ニコンの特徴として「このレンズを使いたいからニコン!」と言う方が多いです。特に広角レンズの中には星空写真の神レンズとよわれている製品や望遠レンズは他社にない小型で高性能レンズがあったりもします。さらに、クラシカルなデザインのカメラも手がけていたりと「これがあるからニコン!」と言う方が多いです。

一方で他社と比較して「あと一歩!」という点は以下の通り

・際立った特徴が少なめ
・サードパーティ製のAFレンズは拡大中であり、現時点では少ない印象

向いている人

キヤノンと比べて色味がニコンが好みである人。このカメラ/レンズが欲しい!という製品がある場合。

キヤノンとニコンは一眼レフ時代は二強といわれた存在。ボディ性能やレンズ性能は申し分なく、操作性や堅牢製、握りやすさなどのカメラボディ性能はどちらもレベルが高いです。一方でレンズのラインアップやカメラのデザインなど差別化されている部分もあります。キヤノンをベースとして考えて「ニコンのこのカメラ(レンズ)を使いたい!」という場合にはニコンを選択した方が良いでしょう。

2-4. 【比較表】キヤノン/ソニー/ニコンの違い・早見表

項目キヤノンソニーニコン
色味人肌◎やわらかクリア・クール寄り自然で落ち着き
AF良好非常に強い良好
操作性直感的で親切多機能で慣れ必要ボタン配置良/堅実
レンズ種類純正中心+拡大中純正+サード豊富純正中心+拡大中
動画良好強い良好
初心者適性高い中〜高(慣れ次第)高い
公式サイト画像
一言プロ級写真が手軽に動きに強い自然な色味がいい

※ あくまでイメージ(同価格帯での“傾向”比較)。個別機種で前後します。

3. 他のメーカーは?(ざっくり特徴と向いている人)

ほかのカメラメーカーは?と言った方も多いと思いますが、キヤノン・ソニー・ニコンから選択すればまず間違い無いことと、迷わせてしまうため割愛しましたが、他にも素晴らしいカメラやレンズを販売しているメーカーがあります。

富士フイルム
フィルムシミュレーションで写真の楽しさが味わえます。デザイン性も高いものが多く、ファッションとしても人気が高い。

<向いている人>
色作りを楽しみたい/写真表現にこだわりたい人。

パナソニック
強力な手ブレ補正と動画機能に定評があり、マイクロフォーサーズの小型カメラとフルサイズカメラを選べる。特に最近は小型フルサイズカメラが販売され注目されています。

<向いている人>
動画を重視している方。小型カメラを探している方。

OM SYSTEM(旧オリンパス)
マイクロフォーサーズのカメラ。小型軽量で機動力が高く、望遠を活かしやすい。また、堅牢製も高く、防塵防滴性能やアルミニウムボディを使用している機種が多数。

<向いている人>
登山などのアウトドアをされている方が、リュックに忍ばせていくにはおすすめ。運動会などの望遠を楽しみたい人。

逆にキヤノン・ソニー・ニコンを選んでおいて間違いないと考える理由は以下のとおり

  • APS-C /フルサイズセンサー搭載カメラが豊富
  • レンズが豊富
  • 堅牢製も十分
  • シェアが高くアクセサリーも豊富

購入を検討されている場合はキヤノン・ソニー・ニコンを中心に選ぶと良いと思います。

4. メーカー選びはかなり重要

繰り返しますが、1台目のカメラ選びは重要です。

  • 乗り換えコストが高い
  • “撮って出し”の仕上がりが変わる
  • 操作性・UIの慣れは重要な資産
  • アクセサリーやサードパーティの広さにも差

ぜひ、今後も長くカメラを使う場合には最初の1台は慎重に選び、納得して購入しましょう!

そして日々変化するお子様の成長記録などは高画質で残して、思い出資産を積み上げていきましょう。

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