センサーサイズが画質に直結することはご存知な方も多いと思います。
この記事では、センサーサイズを小さい順に具体的な機種と一緒に紹介していきます。
最近はスマホで写真を済ませてしまう方も多いため、
「スマホはどの辺なの?」と疑問を持つ方も多いと思います。
センサーサイズを知ると、
✔ 明るい写真が撮れるのはどれ?
✔ ボケやすいカメラはどれ?
✔ 子ども用のカメラはどれにしよう?
などの参考になると思います。

- 家電量販店の元カメラ販売員
- フォトコン多数入賞の現役カメラマン
- 3児の父親
- 家族写真だけで年間1万枚撮影
センサーが大きいと何が良いの?
センサーサイズが大きいと光を受け取る面積が広いことにつながります。
大きければ大きいほど「光をたくさん集められる=写真がきれい」 という訳です。
具体的には、
- 暗い場所に強くなる(夜・室内で明るい写真)
- ノイズが減る(ざらつきの少ない写真)
- 背景がボケやすくなる(ポートレートがきれい)
- 色がしっかり出る
つまり、センサーサイズは画質を決める重要な要素になります。
ではここからはセンサーサイズが小さい順に具体的な機種と一緒に紹介していきます。

センサーサイズを解説
1/2.3型(一般的なコンデジで最も多いサイズ)

もっとも多くのコンデジに採用されてきた、非常に普及率の高いセンサーサイズです。
現在の基準では小型センサーに分類されますが、センサーが小さいほどレンズやボディの光学設計を大幅に小型化できるというメリットがあります。
そのため、画質よりも 携帯性・高倍率ズーム・耐衝撃性 などを重視したカメラに多く採用されています。
高倍率ズームカメラ・一般的なビデオカメラ・防水カメラ、そして見た目はミラーレス一眼のように見えても中身のセンサーは1/2.3型というモデル(ネオ一眼)も珍しくありません。



スマホはこの辺(1/2.5〜1/1.7型前後)

スマホカメラの標準レンズに多く採用されているのが 1/1.7型前後のセンサーサイズ です。
このサイズは、一昔前であれば“高級コンデジ”に使われていたクラスで、スマホの進化とともに急速に普及しました。
ただし、大きなセンサーが搭載されているのは 標準カメラのみ であるケースが多く、
超広角カメラや望遠カメラは1/2.5型前後のより小型センサー を採用していることが一般的です。
これは、超広角用の短い焦点距離のレンズや、望遠レンズの光学系をスマホの薄さに収めるための設計上の制約によるものです。
今回の解説では iPhone / Galaxy / Pixel など主要モデルを参考にしていますが、機種によっては 1/1.3型〜1インチ近い大型センサー を搭載したスマホも登場しています。
ここで押さえておきたいのは、カメラはあくまで光学機器であるということ。
センサーを大きくすればするほどレンズも同時に大型化し、必然的にスマホ本体も厚く重くなる ため、
画質優先と携帯性のバランスをどこで取るかが、スマホメーカーごとの設計思想となっています。



1型(高級コンデジで人気の大型センサー)

1型センサーは、コンデジ・ビデオカメラ・アクションカメラに採用されるセンサーの中では トップクラスに大きなサイズ です。
“高級コンデジ”と呼ばれるモデルの多くが1型センサーを搭載しており、メーカーが「1インチセンサー搭載!」と大きくアピールするのもこのクラスからです。
1型になるとセンサー面積がスマホの 約3倍近く になるため、
- 暗所に強くなる(高感度ノイズが少ない)
- 背景が大きくボケる
- 階調が豊富で写真の立体感が増す
といった、画質面で明確な差が出るようになります。
ただし、1型センサー搭載モデルはレンズも大型化するため価格も上がり、
10万円を超える高価格帯モデルが多い のがデメリットです。
また、レンズ交換式ではないため、ズーム域や明るさは機種ごとに固定されます。



マイクロフォーサーズ

OM SYSTEM(旧OLYMPUS)やパナソニックの一部機種では、マイクロフォーサーズ(M4/3)規格 のミラーレス一眼が採用されています。
ミラーレスカメラとしてはAPS-Cやフルサイズより小さいセンサーサイズとなりますが、そのぶん ボディ・レンズの両方を大幅に小型軽量化できる のが最大の特徴です。
APS-Cセンサーやフルサイズセンサーと同じミラーレスカメラ市場で戦っているため、センサーが小さいことを理由に“画質が劣る”というイメージを持たれがちですが、実際には
- 手ブレに強い
- 望遠に強い
といったメリットも多く、旅行・登山・子どもの行事など、動きやすさが求められるシーンで強みを発揮します。
画質と機材の軽さを高い次元で両立した、バランスに優れたシステム であり、
「本格的に撮りたいけど、重いカメラは持ちたくない」というユーザーに長く支持されてきた規格です。



APS-C

APS-Cセンサーは、初心者向けミラーレスから中級〜上級モデルまで幅広く採用されている代表的なセンサーサイズです。面積はフルサイズの約1/2以下ですが、画質・ボケ量・機動力のバランスが非常に良いため、多くのミラーレスがこのAPS-Cを採用しています。
また、RICOH GRシリーズや富士フイルム X100シリーズのように、コンデジ並みのボディサイズにAPS-Cセンサーを搭載した高画質モデルも存在します。
ただし、このクラスではボディを小型化するために レンズが固定式(単焦点) の場合が多く、ズームを搭載するとレンズが大型化してしまうため、基本的に「ズーム非搭載(単焦点)」という選択が取られています。



フルサイズ

フルサイズセンサーは、上級者向けのミラーレスカメラや高級機に多く採用されている、最も本格的なセンサーサイズです。
フルサイズを選ぶ理由としては、その圧倒的な画質メリットがあります。
- 大きなボケ量(背景が美しくとろける)
- 高感度性能に優れ、暗所に非常に強い
- 階調豊かでダイナミックレンジが広い
- レンズ性能を最大限に引き出せる
特にポートレート・夜景・風景・ブライダル撮影など、“画質に妥協したくない場面”ではフルサイズが有利です。
一方で、ボディ・レンズの価格が高く、レンズ1本で十数万円〜という世界になることと、センサーが大きい分ボディやレンズが大型になり携帯性では他のセンサーより不利です。
フルサイズは、最高の画質を求める人や、写真を本格的に追求したいユーザーに向いたセンサーサイズです。



スマホとのセンサーサイズ比較表
最後にスマホのセンサーサイズを1/1.7型 ≒ 7.53 × 5.64 mm(約42.4 mm²)=「1倍」とし、
今回、紹介したセンサーサイズを一覧にまとめます。
| センサーサイズ | 実寸(mm) | 面積(mm²) | スマホ1/1.7型比 |
|---|---|---|---|
| 1/2.3型 | 約 6.17 × 4.55 | 約 28.1 | 約0.66倍 |
| 1/1.7型 | 約 7.53 × 5.64 | 約 42.4 | 1倍(基準) |
| 1型 | 約 13.2 × 8.8 | 約 116.2 | 約2.7倍 |
| マイクロフォーサーズ | 17.3 × 13.0 | 約 224.9 | 約5.3倍 |
| APS-C | 23.6 × 15.8 | 約 372.9 | 約8.8倍 |
| フルサイズ | 36 × 24 | 864 | 約20.3倍 |

スマホの1/1.7型を1倍として比較すると、
1型センサーは約2.7倍、APS-Cは約8.6倍、フルサイズはなんと約20倍の面積があります。
センサーは面積が広いほど光を多く取り込めるため、暗所に強く、ノイズが少なく、背景がボケやすくなる という大きなメリットがあります。
まとめ
センサーサイズは画質を決めるひとつの大きな要素です。
面積という定量的に評価できる指標でもあるため、多くの方がカメラを選ぶ基準にしています。
一方で、センサーサイズだけで画質は決まるわけではありません。
- レンズ性能
- エンジン(カメラ内処理ソフト)
- カメラマンの腕
など、画質はこれらを総合して決まりますのでその点だけはご注意願います。






